こんにちは! FX SQUARE編集部の葉月です。
6/23はイギリスのEU離脱をめぐっての国民投票でしたね。
イギリスの大手ブックメーカー(政府公認の賭元業者)各社が「残留」派優勢と予想を出していたこともあり、
おそらく残留だと思っていた人が多いのではないでしょうか?
結果としては開票直後は残留が濃厚だったものの、開票が進むにつれ離脱が決定的となり、イギリスの通貨であるポンドは転げ落ちるように下落しました。
その値幅はポンド円ではなんと27円。
事前予想で証券各社は離脱した場合の下落幅としては15~20円予想を出していたところが多いということですから、思ってたよりも大きな衝撃だったことを物語ってますよね。
おそらく開票直後は「残留」優勢だったことからポンドが買われていたので、突如「離脱」にひっくり返ったことによってショックが倍増したのではないでしょうか。
ニュースを見ていると、さも「いますぐ荷物まとめて出ていけ!」感が強いですが、実際はこれから話し合いを開始し、実行に2年はかかると言われています。スコットランドは残留を望んでいることもありますし、話し合いは一筋縄ではいかなそうです。
さて、今回のイギリスのEU離脱。
実際に離脱するとどんな影響が出てくることが想定できるのか、改めて整理してみましょう。
イギリスがEUを離脱したらどうなるの?
1. マーケットに与える影響力の低下
世界のマーケットは大きく3つの都市を中心に回っています。
アメリカ・ニューヨーク、中国・上海、そしてイギリス・ロンドンです。
この、影響力の大きい3つのマーケットがぴったり重なり合わない時間で動いているために、「為替は24時間取引可能」だと言われています。
現在ロンドンには、各国の主要金融機関や数多くの法人企業が活動拠点を置いています。
イギリスに拠点を構えていれば、加入しているEU域内でのビジネスがとてもやりやすくなると考えられているためです。
ところが、イギリスがEUを離脱してしまうと、このメリットを享受できなくなってしまうので、さまざまな企業が「イギリスに拠点を置いていても仕方ないや」と、イギリスを離れ他国に拠点を移してしまう可能性があります。
そうなると、イギリスの消費は落ち込み、雇用も悪化、多数の失業者が出る恐れがあります。
2. EU諸国との貿易に関税がかかるようになる
現在、イギリスにとって最大の輸出国はEUです。
EU域内は関税がかからないことから、EUの加盟国は盛んに貿易を行っていました。
でも、今後イギリスがEUでなくなった場合には、EUとの貿易に関税がかかることになります。
もちろん取引量は下がるでしょうし、それに伴う企業業績の悪化は免れません。
3. イギリスの国力の信用低下
EUの略はEuropian Union、欧州連合という意味です。
ヨーロッパの政治経済の統合を目指し、加盟国間の相互協力を強化することを目的として設立されました。
EUを離脱するということは、この大きな後ろ盾を捨てるということです。何かあっても助けてくれるところがなくなったイギリスの信用力は当然低下します。
その結果ポンドは売られ、イギリスの購買力も低下、それに伴って景気は減退、失業率は悪化、税収も低下し・・・と、1に書いたことと同じシナリオですね。
結局のところ、現状想定できる範囲では、離脱しないほうが良かったんだという結論になるんだと思います。
でもそれは、マーケットのいち参加者である個人の考え。
直接影響を受ける立場にいないからこそ、言えることなんだと思います。
どんな決断を選んだにしても、イギリス国民にとって良い結果をもたらしてくれたらいいなぁ、と思うばかりです。
実際はまだ何も決まっていない。
前述したEU離脱の影響に関してはすべて予想であり、実際どうなるのかはまだまだ不透明な部分も多くあります。
でも、マーケットは「噂で買って事実で売る」もの。
実際影響が出始めてから、売ったり買ったりされるのではなく、「将来はこうなるだろう」を見越して売ったり買ったりされるのです。
なので、これからは、「イギリスはEUから離脱する」ことをメインに、その影響を想定してマーケットに織り込まれていきます。
イギリスの景気悪化をきっかけに、ポンドが売られ株式が売られ・・・となれば、世界景気へと影響が波及することも考えられないことではありません。
でもその一方で、政治的な問題は大きいけど、経済的にはそこまででもないんじゃない? という声もあります。
こんな風に世間の声が割れていることそのものが、まさに先行きの不安を表しているのかもしれないなぁ、なーんて思います。