FXに限らず、株や不動産にも影響を及ぼす、円高・円安。
ニュースや新聞にもよく出てくる言葉ですね。
FXを行う上では必須の概念なので、まだよく呑み込めていないという方はこれを機に覚えておきましょう。
円も普通の商品と同じように、需要が高ければ値段が上がる
結論から先に言うと、
円高とは、円の価値が高くなること
円安とは、円の価値が低くなること
を意味します。
では、なぜ円の価値が高くなったり低くなったりするのでしょう。
これはスーパーのキャベツの値段が上がったり下がったりする理由を考えると、わかりやすいです。

スーパーのキャベツの値段は、需要と供給のバランスよって変化します。
たとえば、天候に恵まれず、キャベツの生産量が下がれば、キャベツ1個あたりに対し欲しいと思う人の数が多くなるので、キャベツの値段が上がります。
逆に、天候に恵まれ、例年に比べてたくさんのキャベツを生産できれば、「そんなにいらないよ」ということになるので、キャベツの値段は下がります。
通貨の場合もそれと同じです。世界中の人々が円を買えば円の価値は高くなるし、逆にいらないと思って売れば、円の価値は下がります。
では、人々は何を基準に円の売買を行うのでしょう。
そこには様々な理由がありますが、一番は通貨の信用度です。世界経済や情勢によって通貨の信用度は変わります。
たとえば、「ちょっとアメリカの景気が悪いな。今は安定している円を買って持っておいた方がよさそうだ」という風に判断する人が多ければ、円が多く買われ、円の価値が高くなるのです。
ポンドやユーロに対して「円高」「円安」は使わない?
円高・円安という言葉は、主に米ドル対して使われるものです。ポンドやユーロなどの通貨に対しては、あまり使いません。
なぜ米ドルに対してのみ「円高」「円安」が使われるかというと、それは米ドルが基軸通貨(すべての通貨の基準となる通貨)だからです。
円高・円安のよくある勘違い
テレビのニュースなどで、こんな報道を見聞きしたことはないでしょうか。
「今日の東京外国為替市場の円相場は、1ドル100円50銭、昨日に比べ1円の円安です」
聞いたことがない、という人もいるかもしれませんが、実は、このような報道は毎日行われています。
さて、この報道を聞いて皆さんはどのようなことを想像しますか?
「円安になったのだから、円の価値が下がったってことだろう」
そう思った方は正解です。
でも、ここで1つ気をつけたいことがあります。
それは、「昨日はいくらだったか?」ということです。
「今は1ドル100円50銭。昨日から1円安くなったんだから、昨日の円相場は1ドル101円50銭だったってこと?」
そう思った方は……不正解です!
この場合、「昨日は1ドル99円50銭だった」が正解になります。
なんで値段が高くなったのに円「安」?

「数字が大きくなったのに円安?」
そう混乱する人もいるかもしれませんが、これは、物々交換に置き換えて考えてみるとわかりやすいかもしれません。先ほどの報道の例も、次のような言い方をすればわかりやすいでしょう。
「昨日なら99円50銭を渡せば1ドルと交換してもらうことができたのに、今日は100円50銭渡さないと交換してもらえなくなった」
つまり、昨日に比べ円の価値が下がってしまったから、1ドルを手に入れるのによりたくさんの円が必要になったのです。
逆に、1ドル100円50銭だった円相場が、次の日99円50銭になったら、「1円の円高」となります。
ややこしいですが、このように説明すればいくらかわかりやすいのではないでしょうか。
FXのチャートで見た場合
1ドルが値上がりすると、円安。1ドルが値下がりすると円高。これはチャートを見る場合でも同じです。

円安になるとチャートは右肩上がりになる。逆に円高になるとチャートは右肩下がりになる。これを覚えておきましょう。