こんにちは、FX SQUARE管理人の星野です。
昨日は、FX SQUARE編集部で一緒に仕事をしたい、という方と面談をしてきました。最近、サイトが少しずつ大きくなってきて、いろいろな方からそのような声をいただくようになりました。嬉しいですね。
さて、余談はその辺りにしておいて、
投資未経験の方にとって、FXで投資をするか、株で投資をするか、というのはなかなか難しいところですよね。私の場合、最初に触れたのはFXでしたが、2番手の候補として株も考えていたので、「FXと株どちらにしよう?」と考えていた時期がありました。
私がFXを始めた理由は単純に「少ない資金で始められるから」の1点だったのですが、いざ実際に始めて数年の歳月を経験してみると、FXが投資初心者に勧められる理由は他にもたくさんあるな、という感じました。
ちなみに私は、このようなFXのサイトを運営していますが、取引しているのは通貨だけかと言えば、そんなことはありません。株式も取引していますし、最近は外貨建て商品や債券なども視野に入れて準備をしているので、わりと全般的かつ客観的に、投資商品について語れるのではないかと思っています。
FXにも株にも、それぞれ強いところと、弱いところがあります。取引を行うプレイヤーにも個人差があるので、FXの方が性格的に合っているという方もいれば、株の方が良いという方もいるでしょう。どちらから始めるのが正解、それを決めるのはあなた自身であり、私たちが断言できるものではありません。
ただ、それを踏まえた上でも、私はやはりFXの方が初心者には向いていると思っているので、今回はその理由を、できるだけ具体的に書いてみたいと思います。
投資を始めるならFXと株のどちらがいいか
まずは、FXと株それぞれの特徴を見てみましょう。簡単な表を作ってみました。
FX | 株式投資 | |
---|---|---|
投資対象 | 各国の通貨 | 企業 |
投資対象の数 | 50通貨 | 4,000社以上 |
相場の変動性 | ~年間30%程度 | ~年間100倍になることも |
変動要因 | 世界の経済・政治・災害などに影響を受ける | 世界の経済・政治・災害などに影響を受ける |
レバレッジ | 最大25倍 | 約3倍(信用取引) |
取引できる時間帯 | 平日24時間 | 平日9時~15時 |
金利の受け取り | 毎日 | 年2回 |
表の内容について、簡単に解説していきます。
投資対象
FXで投資するのは、各国の通貨。米ドルを買ったりユーロを買ったり、時には売りから入ったりして、為替相場の変動を利用して利益を上げていきます。
日本より金利の低い高い国の通貨を買って長く保有すれば、その金利差分の利益(スワップポイント)を毎日少しずつ受け取ることも可能です。
一方、株で投資するのは企業です。株式会社が発行している株を買い、その会社が成長したり、良い業績を達成したりした時など、株を買った時より株価が高くなった時に売ることで利益を上げていきます。
今後伸びそうな会社の株を売って、高くなったら売る。これが一般的な株式投資のイメージでしょう。株主が投資したお金はその会社が成長するための資金になるので、自分が応援する会社の成長を応援するような意味合いで株を購入する方もいます。細かな売買に利益を度外視し、配当目当てで長期保有する方も多いですね。
通貨に投資する場合でも企業に投資する場合でも、トレードで利益を上げていくのであれば、それぞれの市場に対する分析が必要不可欠になります。本気で勝つことを考えるのであればどちらの方が分析が簡単ということはありません。
投資対象の数
FXの投資対象となる通貨は50以上、と上の表で書きましたが、実際に取引の候補となるのはその中でも10種程度です。個人トレーダーの場合であれば3つ4つしか取引していないという方も少なくなりません。
株式投資の方は4,000もあるのにFXはたった10? と思うかもしれませんが、選択肢が多いことが必ずしもいいとは限りません。
初心者の方にとっては混乱の原因になりますし、FXの場合は、取引対象が分散し、1通貨ペア当たりの取引量が下がってしまうことは様々な点でマイナスになります。(詳しくはこちらの記事の「流動性リスク」の項を参照)
株の方は投資対象が大いに越したことはありませんが、FXの場合はそういうわけにはいきません。2商品の性質が異なる以上、投資対象の数で優劣をつけることは難しいでしょう。
相場の変動性
為替市場と株式市場の相場自体の変動性(値動きの幅)を見てみると、株式相場の方がはるかに大きいことがわかります。
株式市場ならば、株価が1年で倍になったり半分になったりすることも珍しくないですが、為替市場において、レートが1年で倍になったり半分になったりするようなことは、かなり特殊なケースであると言えます。
株の中には、一時のガンホー・オンライン(パズドラの会社)のように1年で100倍近く株価が高騰するものもあります。このような会社に早いうちから目を付け、大量に株を買っていれば一攫千金も夢ではないですが、どれがそのように爆発的に伸びるかなどということはプロの投資家にもわかりません。
投資初心者にとっては、ほとんど宝くじのようなものでしょう。「これは間違いなく伸びる!」と直感で選んだ会社の株を大量に買い込んだ結果、暴落して一文無し、というのはよくある話です。
FXをやるにせよ、株をやるにせよ、ハイリスク・ハイリターンを狙うようなギャンブルに近い取引を続けているようでは、いつか身を亡ぼすことになるでしょう。
FXをやるにせよ、株をやるにせよ、やり方次第でリスクはいくらでもコントロールできます。FXと株のどちらがリスクが高いかということは、一概には言えないでしょう。
変動要因
変動要因とは、FXなら為替相場、株なら株式相場が動く要因となるものです.
FXと株、それぞれの変動要因には以下のようなものがあります。
為替相場の変動要因
為替相場は景気、金利、政治などに影響を受けます。
他にも、中央銀行総裁などその国の通貨に影響を与える人物の発言(要人発言)や、テロ、災害など(地学的リスク)によっても変動が起こることがあります。
株式相場の変動要因
株は企業に投資する金融商品ですが、為替相場と同じように、景気や金利、そして為替変動にも影響を受けます。株をやるから為替をまったく勉強しなくていいかといえば、そんなことはありません。
企業に着目した場合でも、株式相場は企業の業績、合併・買収、商品価格、新製品の発表・新工場の建設などといった要因に影響を受けます。
把握しなければいけない情報はFXよりも多いと言えるでしょう。
レバレッジ
レバレッジとは、自分がFX会社の口座に預けている資金を担保に、実際に持っている額以上のお金を動かせるという仕組みです。
FXでは、自分が投じた資金の最大25倍までのお金を動かして取引を行うことができます。FXが「少ない資金で始められる投資」と言われるのはこのためですね。
ちなみに、最大25倍というのは国内のFX会社の話で、海外のFX会社を利用すれば100倍、200倍といったレバレッジを効かせることも可能になります。しかしレバレッジを高くしすぎると、その分リスクも高くなってしまうので注意が必要です。
株の方でもレバレッジを効かせることはできますが、株式相場は為替相場に比べ値動きの幅が大きいので、レバレッジの上限が最大3倍程度と決まっています。これは投資家の破産を防ぐために設けられたルールですが、少ない資金で大きく稼ぎたい人にとっては、枷となる部分でもあるでしょう。
また、株で信用取引を行うためには、30万円程度の担保を用意する必要があります。「レバレッジ」の観点で考えれば、「自由度」という意味で(自分の好きなようにかけられるとという意味で)FXのように軍配が上がるでしょう。
取引できる時間帯
FXは平日であれば24時間いつでも取引をすることができます。しかも、日本の夕方から深夜にかけては、24時間の中でも最も取引が活発になるロンドン市場からニューヨーク市場にかけての時間帯になるので、相場に起伏が生まれやすく、短時間のトレードでも利益を上げやすくなります。時間的制約を受けやすいサラリーマン、学生にとっては大きなメリットですね。
一方の株はというと、取引できる時間は9時から15時までの6時間(※)とFXに比べかなり限定的です。一応、PTS(私設取引システム)という夜間に取引できるシステムを設けている証券会社もありますが、ごく一部です。基本的に日中だけのものと考えていいでしょう。
取引できる時間的な自由さを比べると、FXの方に軍配が上がりますね。
※市場が閉まる時間は証券会社によって多少の誤差があります。
結局、FXと株だったらどちらがいいのか
FXと株は似ている部分が多い商品としてしばしば比較されますが、細かい部分を見てみると、その性質は大きく異なっていることがわかります。一概にどちらがいいとは言えないでしょう。それぞれの性質を見て、自分に合っていると思った方を選べばいいと思います。
ただ、どちらの方が投資初心者向けかと問われれば、冒頭でも書いた通り、私はFXを推奨しています。少ない資本金で始められること、時間の融通が効くため専業トレーダーでなくても取引できること、商品としてとてもシンプルなので投資の感覚に慣れるのはうってつけであることなどが主な理由です。
1つ勘違いしてほしくないのは、簡単だからオススメしているわけではないということ。株は難しそうだからひとまずFXなどという考え方で始めるのはあまりオススメできないということです。株でもFXでも、トレードできちんと利益を上げていくためには学習・分析・検証の3プロセスが必要不可欠です。
逆にこのような過程を繰り返しちゃんと経験を積んでいけば、普通のサラリーマンでは絶対に稼げないような額を稼げる可能性を秘めているのが投資の一番の魅力でもあります。
投資の広い世界に踏み出す第一歩としてまずFXを経験し、それから株を学んでみるという流れも選択肢としてはありでしょう。